~自分の死後、財産の全部又は一部を地方公共団体(自治体)、NPO法人や公益法人、社会福祉法人等の各種団体や個人へ寄付することを遺言で決めておくことができます
遺贈寄付とは、法律上の用語ではなく、ここでは遺言によって法定相続人以外の第三者に寄付すること、とくに第三者が公益性の高い事業等を行っている団体や個人である場合を言います。
東日本大震災以降、ボランティア活動や社会貢献について多くの方が強い関心を持つようになってきています。遺贈寄付は、社会貢献の一環として、ご自分の遺産を活動理念や目的・趣旨に共感できる団体や個人へ寄付し、人生の結びにおいて、自己の意思を実現する1つの方法であると考えます。
また、身寄りのない方の相続の場合(いわゆるお一人様の相続)、最終的に遺産は国庫に帰属しますが、国庫に帰属するのであれば、自分の遺産を帰属する先を決めておきたいという要望に応えることが可能になります。さらに、親族はいるが遠縁で長らく疎遠である場合、同様に寄付先を決めておきたいというご相談があります。
基金の設立、信託等の方法もありますが、一般的には、遺言書を作成し、遺贈したい団体や個人を特定し、また、遺贈する遺産の範囲(一部)を決めておくだけで十分です。但し、遺言の実現のため、遺言執行者を決定しておくこと、また、事前に遺贈寄付の内容を十分に相談しておくことが重要です。
例えば、遺贈寄付を希望する先の団体において、不動産の寄付を受け取ることができないこともありますので、そのような場合には、遺言書において、遺言執行者が不動産を売却して現金化した後に寄付することを決めておく必要があります。
とくに制限はありません。
日本赤十字社や日本盲導犬協会、国境なき医師団等の公益活動を行う各種団体、NPO法人や公益法人、社会福祉法人、お住まいの地方自治体や介護施設、神社・お寺等、ご自分が希望される寄付先を自由に決めて頂ければよいと思います。但し,事前に遺贈寄付を受けることができるか、その方法、注意点等を個別に確認しておく必要があります。
遺贈寄付については、まず遺言書の作成サポートを利用して頂き、公正証書遺言を作成します。
また、遺言書の中で、遺言執行者として、当事務所の弁護士を指定して頂く必要があります。
事前に遺贈寄付先の調査や調整・協議等が必要となる場合を除き、基本的には、当事務所の遺言書作成サポート、遺言執行者の業務の中で対応させて頂く事が可能です(弁護士報酬については、各業務の弁護士報酬の記載をご確認下さい。)。
他方、遺贈寄付先の事前調査や調整・協議等が必要となる場合は、別途費用を頂くこともありますが、個別の対応となりますのでその都度ご相談させて頂きます。
なお、遺贈寄付先のご相談については、当事務所で過去に行った寄付先のご紹介の他、各種団体等について情報提供させて頂くことも可能です。