~死後の手続、例えば、葬儀や埋葬、遺品整理、病院・施設等への支払等、必要な手続をあなたの代わりに行います
死後事務委任契約とは、委任者(本人)が第三者に対し、亡くなった後の諸手続・葬儀・納骨・埋葬に関する事務等についての代理権を付与して、死後事務を委任する契約をいいます。
死亡後には、葬儀の実施、ご遺体の搬送、死亡届の提出、埋葬(墓じまい・合祀等)、遺品の整理,入居施設・病院等への支払・清算手続、公共料金の支払等、多くの事務手続が必要です。
通常、このような事務手続は、家族・親族等が行いますが、身寄りがない方の場合、死後の事務を第三者に事前に依頼しておく必要があります。また、家族・親族等がいる場合でも、長らく疎遠であったり、或いは他人の手を煩わせたくないという場合もあります。そのような場合には、死後事務委任契約を利用することで、自己の意思に沿った事務処理を受任者に行ってもらうことが可能になります。
例えば、埋葬の方法について、樹木葬・海洋散骨等のご希望があれば、生前に業者を選定して頂き、死後、その手続を行わせて頂くことが可能です。また、自分の死後、長年一緒に暮らしてきたペットを信頼できる方にその世話をお願いしたいという場合、生前にそのような世話をできる方(個人・NPO法人等)を探しておき、自分の死後、その方にペットをお預けする手続を行わせて頂くことも可能です。
死後事務委任契約の一般的な内容として、次のような事務があります。
その他の事務についても委任者と受任者が協議の上、委任することができます。
報酬額 | 基本料金 20万円(税別) + 委任事務ごとの報酬(税別) |
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~必要な事務を選択できます。すべての事務を委任する必要はありません。
※上記はあくまで一例です。 詳細については、ご相談を受けた後に、見積もり書を作成させて頂きます。
※委任事務によって、報酬とは別に、支払に充てるための準備金として、金銭をお預けいただく必要があります。
お亡くなりになった後の住居について、死後事務委任契約ですべて対応することはできるのでしょうか?
特別養護老人ホーム等の入所中の施設でお亡くなりになるケースでは、死後事務委任契約の中で、介護施設利用契約の解約手続(上記⑤)や遺品の整理(上記⑨)等についてご依頼を頂ければ対応が可能です。また、賃貸アパート・マンションにお住まいの場合も、不動産賃貸の解約・明け渡し(上記⑥)や遺品の整理(上記⑨)等についてご依頼を頂ければ対応が可能です。
しかし、持ち家(一戸建て・マンション)の場合には、持ち家を売却して換金する等の行為は、遺産の処分となるため、死後事務委任契約では対応することができません。
そこで、事前に遺言書を作成し、遺言執行者を選任して頂く必要があります。遺言執行者を遺言書で決めておけば、自分の死後に持ち家を売却して、その代金を医療費の支払やその他債務の支払に充てたり、法定相続人の方へお渡ししたり、第三者に遺贈したり、寄付すること等も可能になります。
~人生の最終段階(終末期)を迎えたとき、意思表示できなくなった状況において、意に添わぬ、ただ単に死の瞬間を引き延ばす延命措置を受けずに済むようにするためのものです
尊厳死とは、一般に回復の見込みのない末期状態の患者に対して、生命維持治療を差し控え又は中止し、人間としての尊厳を保たせつつ、死を迎えさせることをいいます。
尊厳死宣言書とは、そのような延命措置を望まない旨を事前に宣言しておくための書面です。
なお、似たような概念として安楽死があります。いずれも延命治療を放棄するという点では同じですが、尊厳死はあくまで自然に尽きる寿命を変えずに残りの人生を自分らしく生きる選択であり、他方、安楽死は、死を早めるために人為的に医療的な措置を取る点で残りの寿命を直接縮めるという選択となります。
医療技術の進歩により、いわゆる植物状態のまま何年も延命することも可能になりました。しかし、単に延命を図るだけの治療は、むしろ患者の尊厳を害しているという問題認識から、患者本人の意思(患者の自己決定権)を尊重すべきという考え方が有力になっています。
尊厳死宣言書は、自己がそのような意思表明ができる状態にはないときに備えて、事前に自己の意思を明確にしておき、人生の最終段階(終末期)において自己決定権を実現するための有効な手段です。
法律で決まっている訳ではありませんが、通常、尊厳死宣言書の内容には次のような事項を記載します。
尊厳死宣言がある場合でも、医療機関が必ず従わなければならないという法的な効力があるとは考えられていません。また、「過剰な」延命治療に当たるか否かは医学的判断が必要であり、最終的に医師の判断が必要となります。しかし、医療機関へのあるアンケートでは、尊厳死宣言書を示した場合には尊厳死を許容する回答が大半であるとの結果も出ています。したがって、尊厳死宣言書の作成には大きな意味があるといえるでしょう。
法律で決まっている訳ではありませんが、事柄の重大性、本人意思確認をより明確に行うという観点から、公正証書によることが重要であると考えます(当然ですが、医療機関も自筆による私文書よりも尊重する結果となります。)。
当事務所では、尊厳死宣言書の作成に伴うご相談・文案作成・公証役場での手続をサポートするサービスを行っております。
報酬額 | 基本料金 7万円(税別)~ |
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なお、遺言書作成の際、併せて尊厳死宣言書を作成することも可能です。その場合、基本料金の割引(減額)をさせて頂きます。
また、弁護士報酬とは別に、公証人役場での費用がかかります。